電子帳簿保存法「電子取引データ保存」、2024年1月から何が変わったか
2026.08.19・Taxel編集部
電子帳簿保存法のうち「電子取引データ保存」は、2024年(令和6年)1月1日から、法人・個人事業主を問わずすべての事業者に義務化されています。この記事では、何が原則になったのか、満たすべき要件、そして対応が間に合っていない場合の猶予措置について、公表されている情報をもとに整理します。
何が変わったのか:電子で受け取った取引情報は、電子のまま保存が原則に
メールやクラウドサービス経由で受け取った請求書・領収書・見積書など、電子データでやり取りした取引情報(電子取引データ)は、2023年12月31日までは「紙に印刷して保存する」ことも認められていました。しかし2024年1月1日以後に行う電子取引については、電磁的記録を出力した書面での保存に代えることができなくなり、データのまま保存することが原則になりました。
満たすべき2つの要件
電子取引データを保存する際は、大きく分けて次の2つの要件を満たす必要があるとされています。
- 真実性の確保:タイムスタンプの付与、または訂正・削除の履歴が残るシステムの利用、もしくは改ざん防止のための事務処理規程を整備して運用すること。
- 可視性の確保:保存したデータを、取引年月日・取引金額・取引先で検索できる状態にしておくこと(判定期間の売上高が一定以下の事業者等には、検索要件の緩和措置もあります)。
対応が間に合っていない場合の猶予措置
要件どおりの保存が間に合わない事業者向けに、猶予措置も設けられています。次の2つをどちらも満たしていれば、2024年1月以後も猶予措置の対象になり得るとされています。
- 保存要件に従って保存できなかったことについて、所轄税務署長が「相当の理由」があると認める場合
- 税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」と、そのデータをプリントアウトした書面の提示・提出の求めに、それぞれ応じられる状態にしている場合
逆に言えば、「相当の理由」もなく、かつ税務調査時の求めにも応じられない状態で保存要件を満たしていない場合は、青色申告の承認取消の対象になり得るともされています。猶予措置はあくまで経過的な救済であり、恒久的に免除される制度ではない点には注意が必要です。
まとめ:まず「自社・顧問先がどこに当てはまるか」の確認から
電子帳簿保存法の対応は、全事業者が一律に同じ作業をすればよいわけではなく、扱っている電子取引の種類や量、既存の会計システムの仕様によって、必要な対応が変わります。まずは顧問先ごとに「電子取引データをどう受け取り、どう保存しているか」を棚卸しするところから始めるのが現実的です。
参考: 国税庁「電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係)」、 内田会計グループ「準備が間に合わない場合の猶予措置について」 ※本記事は公表時点の情報をもとにしています。制度の詳細・最新の要件は必ず一次情報および顧問税理士にご確認ください。