弥生の料金|弥生会計 Nextの3プランと、選び方の軸(2026年9月時点)
2026.09.30・平澤 建
「弥生 料金」で検索すると、2017年の比較記事や、弥生駅までの運賃が上位に混ざって出てきます(2026年9月29日、筆者の検索結果)。欲しい答えにたどり着く前に、古い情報をつかまされやすい状態です。
この記事では、弥生株式会社の公式価格表を2026年9月29日に確認した数字だけを使って、法人向けクラウド「弥生会計 Next」の3プランの違いを整理し直します。そのうえで、価格表からは読み取れない「どのプランを選ぶかは、仕訳を誰が入れるかで決まる」という判断の軸を説明します。
結論:法人のクラウドは年3.48万円から。プラン差は「機能」より「相談先」
先に結論です。
- 弥生会計 Next は年契約で34,800円・50,400円・84,000円(税抜)の3プラン。
- 帳簿・決算書の作成はどのプランでもできます。上のプランで増えるのは、主にサポート(有人チャット・電話・仕訳相談)と経費精算・部門管理です。
- つまり、仕訳を税理士事務所に任せている会社はエントリーで足りることが多く、自社で入力する会社ほど上のプランの価値が出ます。
1. 弥生会計 Next(法人・クラウド)の料金
| プラン | 年契約(税抜) | 月契約(税抜) | 月契約×12ヶ月 | 年契約との差 |
|---|---|---|---|---|
| エントリー | 34,800円/年 | 3,480円/月 | 41,760円 | 6,960円 |
| ベーシック | 50,400円/年 | 5,040円/月 | 60,480円 | 10,080円 |
| ベーシックプラス | 84,000円/年 | 8,400円/月 | 100,800円 | 16,800円 |
出典:弥生株式会社「弥生会計 Next 料金プラン」「弥生シリーズ価格(料金)表」(2026-09-29 閲覧)。「月契約×12ヶ月」「年契約との差」は筆者の計算。
公式は年契約を「2か月分お得」と表記しています。実際、月契約で1年使うと、エントリーで6,960円、ベーシックプラスでは16,800円多く払うことになります。最大2ヶ月の無料体験があるので、無料期間で使い続けると決めた時点で年契約にするのが一番安い買い方です。無料体験の終了後に自動で課金されることはない、と公式に明記されています。
プランで何が変わるか
| プラン | 公式の説明 | 筆者の読み方 |
|---|---|---|
| エントリー | 会計業務/請求業務 | 帳簿・決算書・請求書は作れる。困ったときの相談先はFAQとAIチャット |
| ベーシック | エントリーの内容に加え、部門管理/経費精算/有人メール・チャットサポート(導入・運用支援つき) | 社員の経費精算を回したい会社、人に聞ける窓口が欲しい会社向け |
| ベーシックプラス | ベーシックの内容に加え、電話サポート/仕訳相談 | 「この支払いは何の科目か」を聞ける。自社で入力する会社向け |
注意点が1つあります。仕訳相談は、税務や紛争についての相談は対象外と公式に書かれています。「この経費は損金になるか」「どう処理すれば税金が減るか」は仕訳相談では答えてもらえません。そこは顧問税理士の領域です。
人数が増えたときの追加料金
会計機能と請求機能は各3名まで無料、4名目から1名ごとに月300円(税抜)。経費精算機能はベーシックで3名、ベーシックプラスで5名まで無料で、超えると1名ごとに月400円(税抜)です。社員全員に経費精算を使わせる場合は、ここが効いてきます。10名で経費精算を使うなら、ベーシックプラスでも5名分×400円=月2,000円が上乗せになる計算です。
2. インストール版と個人事業主向けの料金
| 製品 | 価格(税抜) | 備考 |
|---|---|---|
| 弥生会計 26 スタンダード | 50,000円(トータルプラン 90,350円) | パソコンにインストールする法人向け |
| 弥生会計 26 プロフェッショナル | 88,000円(トータルプラン 145,350円) | インストール型の上位版 |
| やよいの青色申告 オンライン | 11,800円/22,800円/39,600円(年) | 個人事業主。セルフ/ベーシック/トータル |
| やよいの白色申告 オンライン | 0円(セルフプラン) | 白色申告の個人事業主 |
出典:弥生株式会社「弥生シリーズ価格(料金)表」(2026-09-29 閲覧)。インストール版は「新規(初年度優待価格適用)」の直販価格と注記されています。2年目以降の保守・サポート費用は公式の更新価格で確認してください。
インストール版は初年度の支払いが大きく、クラウドは毎年の支払いが続く、という形の違いがあります。どちらが安いかは使う年数と、毎年の税制改正に追随するためのサポート契約を続けるかどうかで変わります。比べるときは「初年度」ではなく「3年間の総額」で並べましょう。
3. プランは「仕訳を誰が入れるか」で決める
価格表は機能とサポートの差を並べていますが、選び方の答えは会社の経理の体制で決まります。
| 経理の体制 | 向くプラン | 理由 |
|---|---|---|
| 仕訳は税理士事務所が入力(記帳代行) | エントリー | 社内で仕訳を判断する場面がない。疑問は顧問税理士に聞ける |
| 社内で入力し、月1回税理士がチェック | ベーシック | 操作の疑問は有人チャットで解決。科目の判断は月次で税理士に確認 |
| 経理未経験の担当者が入力、税理士とは年1回 | ベーシックプラス | 「何の科目か」を日々聞ける先が仕訳相談しかない |
ベーシックプラスとエントリーの差は年49,200円、月にならすと4,100円です。記帳を税理士事務所に頼むと月額が上乗せされることが多いので(記帳代行の料金で相場を書きました)、「自社で入力+ベーシックプラスの仕訳相談」と「記帳代行+エントリー」のどちらが安いかは、見積もりを並べて一度計算しておく価値があります。
4. 契約の前に、顧問税理士に1つだけ聞く
料金より先に確認してほしいのが、顧問税理士の事務所が弥生に対応しているかどうかです。
弥生会計 Next の「会計事務所とのデータ共有」は、弥生とパートナー契約を結んでいる会計事務所との間で使える機能だと公式に注記されています。事務所がパートナーでなければ、データをファイルで受け渡すことになり、月次のやり取りに手間が1つ増えます。
これは弥生に限った話ではありません。私たちは税理士事務所向けのツール(taXel)を開発するにあたって税理士の先生方にヒアリングを重ねてきましたが、ある先生からは「事務所によって使っている会計・申告のソフトはばらばらで、顧問先がソフトや税理士を変えるとデータの移し替えが面倒になる」という指摘を受けています。会計(帳簿をつける)と税務(申告書を作る)は別のソフトで動いていることが多い、というのも同じ先生の指摘です。弥生会計 Next が申告ソフト「達人シリーズ」との連携を機能表に載せているのは、この分業を前提にしているからです。
聞くことは1つで足ります。「弥生会計 Next で入力したデータを、先生の事務所でそのまま受け取れますか」。この答えが「はい」なら、あとは上の表でプランを選ぶだけです。乗り換えの手順とタイミングは会計ソフトの乗り換えにまとめています。
5. どのソフトでも、決算書は「ソフトからPDFで出す」
最後に、ソフトを選んだあとの使い方で、1つだけ実測にもとづいてお伝えしたいことがあります。
taXelは決算書を読み込んで財務分析を行うツールです。開発の中で、同じ決算書を「会計ソフトから直接出力したPDF」と「紙をスキャンしたPDF」で読み取り精度を比べました。2026年9月28日時点の測定(5社・17冊)では、ソフトから出力したPDFは58項目中58項目が正確だった一方、スキャンしたPDFは88項目中85項目で、毎回1〜3項目、違う箇所で読み違えが起きました。
※ 自社開発ツールでの測定で、冊数はまだ少なく、統計的に「誤りがない」と言える水準ではありません。傾向を示す参考値として紹介しています。
決算書を銀行や補助金の申請先、あるいは経営分析のサービスに渡す場面は年々増えています。そのたびに紙をスキャンするのではなく、会計ソフトから決算書・試算表をPDFで直接出力して保存しておく。弥生でもほかのソフトでも使える、一番手間のかからない精度対策です。
まとめ:契約前にやること3つ
- 顧問税理士に「弥生会計 Next のデータを受け取れるか」を聞く。これが「いいえ」なら、料金を比べる前に考え直す必要があります。
- 仕訳を誰が入れるかを決めて、上の表でプランを選ぶ。迷ったら、無料体験(最大2ヶ月・ベーシックプラス相当)で自社の入力量を測ってから決めましょう。
- 使うと決めたら年契約にする。月契約で1年使うより、6,960〜16,800円安くなります。
執筆
平澤 建(ひらさわ たける)
taXel 代表。中小企業向けにKPI経営の伴走支援とEC運用支援を行っています。 税理士の先生方へのヒアリングを重ね、いただいた要望をそのまま機能にする形でtaXelを開発しています。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。料金は弥生株式会社の公式サイトを2026年9月29日に参照したもので、税抜表記です。キャンペーンや改定により変わることがあるため、契約前に公式サイトでご確認ください。読み取り精度の数値は自社開発ツールでの測定です。筆者は税理士ではありません。
